2016/11/06

2016年12月24日、第96回天皇杯の準々決勝が各地で行われました。
天皇杯はプロのチームとアマチュアのチームが混在する非常に面白い大会ですが、流石にベスト8に残っている8チームは2016年度のJ1チームのみとなりました。
2016年度は少し偏った試合日程ですので、チャンピオンシップやクラブワールドカップに出場していた鹿島アントラーズや川崎フロンターレ以外は、約1ヶ月以上試合がなかったので少しコンディション面が心配となった準々決勝でしたね。
そこでこのページでは、簡単ではありますが弟96回天皇杯の準々決勝の結果と感想について説明させていただきます。
Jリーグに興味のある人は是非参考にして下さいね。
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横浜Fマリノス(J1) 2-1 ガンバ大阪(J1)
2016年度のJ1リーグが終わったのが11月3日でしたので、現時点で選手の移籍の情報は確定した事も噂も含めてたくさん出ています。
横浜Fマリノスに関してはサイドバックの小林 祐三(こばやしゆうぞう)選手の契約満了が確定しており、噂だけであればエースの斎藤 学(さいとうまなぶ)選手や大黒柱の中村 俊輔(なかむらしゅんすけ)選手、センターバックのファビオ選手など複数の主力選手の流出の噂が出ています。
あくまでもスポーツ記事での話ではありますが、監督と一部選手との確執も噂されておりチーム状況は良好とは言えない状態でした。
対するガンバ大阪は天皇杯3連覇という偉大な記録を唯一狙える立場にあり、2016年度はこの時点で無冠ですので非常にモチベーションは高かったと思いますが、日本代表GKの東口 順昭(ひがしぐちまさあき)選手がケガにより離脱していたため、代わりに藤ヶ谷 陽介(ふじがやようすけ)選手が出場しました。
東口選手の代わりに入った藤ヶ谷選手が活躍するも不安定な守備に泣いたガンバ大阪
開始早々、横浜Fマリノスの決定期が数回発生しましたが、GKの藤ヶ谷選手のスーパーセーブによってピンチを脱したガンバ大阪でしたが、この試合は90分間通して守備が本当に不安定な試合となってしまいましたね。
開始直後のピンチ以外にも藤ヶ谷選手のビッグセーブは何度かありましたが、至近距離のシュートストップは元々得意な選手でもありますので、苦手なミドルシュートの失点以外は非常に安定していたパフォーマンスだったと思います(マリノスの先制点はPK、もう1点ミドルで決められましたがオフサイドという判定によりノーゴール)
センターバックのパフォーマンスが不安定だったという事もありますが、ガンバ大阪の看板選手でもある遠藤 保仁(えんどうやすひと)選手の使い方が定まらない試合でもありました。この試合では後半から4-3-3のシステムに変更し、アンカーの位置に遠藤選手を配置しましたが、決して運動量が多い選手ではありませんので、その影響で更に守備が不安定になってしまった印象を受けました。
選手だけではなくて、監督も含めたチーム全体の問題もあると思いますが、1年間通して安定しない成績で終わってしまったため、2017年度は遠藤選手にとっても長谷川監督にとっても重要な年になるんじゃないでしょうか?
若手選手の活躍によってベスト4に進出した横浜Fマリノス
リーグ戦やルヴァンカップを見ていても思いましたが、チーム編成がベテランに偏っている印象があった横浜Fマリノスですが、思っていた以上に若手選手が成長している印象をこの試合でも見る事が出来ました。
チームが若手への世代交代を推し進めた結果が、監督と一部選手との確執や主力選手の流出の噂が流れている原因となっていますが、この試合でもセンターバックの新井 一耀 (あらいいっき)選手は非常に安定した素晴らしいプレーで勝利に貢献しましたし、ミドルシュートで決勝点を挙げた天野 純 (あまのじゅん)選手など、若手選手がしっかりと安定して活躍した試合で今後に期待の出来るゲームとなったんじゃないでしょうか?
ガンバ大阪の攻撃が決定力に欠けていたという部分もあると思いますが、場合によっては十分優勝の可能性を感じるチームでしたね。
鹿島アントラーズ(J1) 1-0 サンフレッチェ広島(J1)
2016年度のクラブワールドカップで準優勝となり、世界を驚かせた鹿島アントラーズは過密日程のため柴崎選手や金崎選手をベンチ外にして試合に挑みました。他の主力選手も疲労が溜まっており、コンディション面でどこまで戦えるかが注目されましたね。
対するサンフレッチェ広島は、2016年度のリーグ戦のピーター・ウタカ選手の退団が決定的で試合に出場せず、また長い間サンフレッチェを支えてきた佐藤 寿人(さとうひさと)選手の移籍も決定的で、同じく長年チームを支えてきた森崎 浩司(もりさきこうじ)選手と共に、負ければサポーターとの別れが待っている試合となりました。
鹿島アントラーズの成長した守備陣がサンフレッチェ広島の攻撃を完封
この試合でもセンターバックの昌子選手と植田選手が素晴らしい守備を魅せました。
この2人はクラブワールドカップで世界のトッププレーヤーを相手に善戦しただけに、明らかに一皮剥けて安定した守備を披露していましたね。
こんなレベルのセンターバックが2人、しかもまだ若い選手が在籍していれば、しばらく鹿島の黄金期が続くんじゃないかと思うほど素晴らしいプレーでした。
もちろん、以前から非常に将来性を感じる選手ではありましたが、2016年度のリーグ戦とクラブワールドカップ以降とは明らかに違いを感じます。
本当にこの先が楽しみな2人です。
また、クラブワールドカップで大活躍したGK曽ヶ端(そがはた)選手もこの試合でPKをストップするなど相変わらず当たっています。
やはり過密日程のためか後半は足が止まる場面も多かったですが、安定した守備によってしぶとく勝利する辺りは流石ですね。
決勝点を決めた赤碕選手も、ほとんどシュートコースがない所を決める素晴らしいゴールでしたね。この選手は簡単なシュートははずすのに難しいシュートを決める不思議な選手ですが、2017年度はペドロ・ジュニオール選手の加入がほぼ確定していますのでポジション争いを頑張ってほしいと思います。
新外国人のアンデルソン ロペス選手の今後が楽しみな試合
この試合をサンフレッチェ広島側から見て一番驚いたのは、新外国人のアンデルソン ロペス選手の活躍でしょう。
彼は2016年度のシーズン初めから在籍していますが、序盤はチームとの連携がお世辞にも良いとは言えませんでした。むしろ無理にボールを自分で持ちたがるシーンが多く弱点になっている印象すらありました。
しかし、シーズン終盤に徐々にチームに溶け込んでいき、この試合では素晴らしいキープ力でチームの攻撃を牽引していましたね。
サンフレッチェ広島は新戦力をチームにうまくフィットさせる事に長けているチームですが、序盤はダメだと思っていた選手がシーズン終盤にはしっかり戦力にする辺りは流石だと感じました。
この試合は惜しくも負けてしまいましたが、得点王のピーター・ウタカ選手の穴を十分埋める可能性を感じさせてくれた試合だったと思います。
もう一人ぐらい得点が計算できる選手を獲得できれば、2017年度はなかなか楽しみな1年になるのではないでしょうか?
その反面、長年チームを支えてきた選手達がチームを去るのがこの日の試合によって決定してしまいました。この辺りは他のチームを応援している人間からしても寂しい限りですが、新天地でも頑張ってほしいと思います。
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大宮アルディージャ(J1) 4-2 湘南ベルマーレ(J1)
J2から昇格した初年度にリーグ年間順位が5位となった大宮アルディージャは、戦力的にタイトル獲得は決して夢ではない戦力を持っていますが、2016年度のJ2降格が決まった湘南ベルマーレはJ2降格が決まって以降は何故か右肩上がりでチームの調子が上がっています。
ひそかに何か番狂わせが起こりそうな予感がしていましたが、ある意味予想通り延長戦までもつれる非常に面白い試合となりました。
全体的には押し気味だったが決定力に欠けた大宮アルディージャ
最終的に4得点を挙げて決定力が低いと言うのもおかしな話ではありますが、大宮アルディージャはこの試合で何度ゴールポストに当てたんでしょうか?
先制点ですらポストに当たって入りましたしね(笑)
リーグ戦では非常に守備が安定していましたが、このチームに強力ばストライカーがいるだけで大きくタイトルに近づくと思います。
決めきる所で決めきれないが為に、結局90分間では1-1のドローとなってしまいました。延長戦に関しては一時は逆転されましたが、湘南ベルマーレが退場者を出して10人で戦ったために3得点を取る事が出来ました。
現時点ではタイトル獲得は少し難しいかも知れないですね(惜しい感じ)
少ないチャンスを決めきり、一時は逆転したが最後は力尽きた湘南ベルマーレ
全体を通して大宮アルディージャペースで進んだこの試合でしたが、退場者が出てシステムを変更してから吹っ切れたのか逆に湘南ベルマーレのペースとなりました。
このチームは降格が決定してから調子が右肩上がりになっている面白いチームでもありますし、チームとしてのスタイルもとにかく全員が前線からハイプレスを徹底させるという個性的なチームでもあります。
恐らくですが余計な事を考えずにとにかく前に前に行った方がこのチームは強いのかも知れませんね。10人になってから攻めるしかなくなり調子が良くなるというのは見ていて面白かったです。
延長戦では一時逆転しましたが、流石にこのサッカーを10人で延長戦まで戦うのには無理がありましたね。
しかし、監督の続投も決定しましたし2017年度のJ2では面白い存在になるのではないでしょうか?
FC東京(J1) 1-2 川崎フロンターレ(J1)
2015年度は過去最高の成績を残したフィッカデンティ監督を、2016年度は「タイトル獲得のために」監督交代に踏み切ったFC東京でしたが、成績は9位に終わり何としても最後のタイトルである天皇杯が欲しいFC東京と、同じく今まで何度もタイトル争いを演じながらタイトルに縁がなく、風間監督の退任が決まっている川崎フロンターレとの対戦となった準々決勝となりました。
中島 翔哉(なかじましょうや)選手が躍動するも決め手にかけたFC東京
2016年度シーズンの序盤はほとんど出場機会のなかった中島選手ですが、シーズン終盤は完全にチームの攻撃を牽引する活躍をしており、この試合でも素晴らしいプレーを見せてくれました。
シュートもチームで最も打っていましたし、ドリブルにしてもパスにしてもレベルが高い高い。今ではもうFC東京の顔と言っても良いのではないでしょうか?
ただし、逆に言えば彼以外でシュートを打つ人間がいないのか?と思えるほど彼しかめだっていなかったですね。
途中出場の平山選手が終盤に1点返して1-2という結果になりましたが、チームとしての完成度はこの日敗れた川崎フロンターレと大きな差を感じた試合となってしまいましたね。
川崎フロンターレらしい試合によって完勝
結果は1点差でしたが、試合内容を見る限りは川崎フロンターレの完勝と言って良い内容の試合でしたね。
得点した2得点は両方とも、素晴らしい崩しからのゴールでしたし、守備に関してもボランチのエドゥアルド ネット 選手やセンターバックの谷口選手を中心に非常に安定していました。
少し心配事があるとすれば、ケガ明けの小林 悠(こばやしゆう)選手の調子がイマイチだったのが少し気になりましたね。何気に2016年度のチーム得点王は大久保選手ではなくて小林選手ですので、タイトル獲得のためには彼の復調が必要になるでしょう。
しかし、これだけ完成度の高いサッカーをしている風間監督がJ2に降格した名古屋グランパスに行く意味が全く分からないです(あくまでも噂ですが)
個人的には川崎フロンターレを今後も率いてほしいんですが・・・
今後の日程と対戦カード
第96回天皇杯もいよいよ次は準決勝です。
12月29日 鹿島アントラーズ VS 横浜Fマリノス
12月29日 大宮アルディージャ VS 川崎フロンターレ
みなさんも是非注目して下さいね。
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